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松田まなぶ マイナンバーについて総理に質問

 


 今国会で総理への質問は、予算委員会、財務金融委員会に続き、これで3度目になりました。今回は、内閣委員会でずっと審議を続けてきたマイナンバー関連4法案の委員会での採決を前に、総理をお呼びしての質疑でした。

 その詳細の動画は、
こちらから開始時間が9時7分の「松田学」を選択してご覧ください。

 この法案は、かつては『国民総背番号制』などとも言われた個人番号制度を『マイナンバー制』として日本に導入するもので、これからの日本の重要な社会インフラとなるものです。まずは、税、社会保障、防災の3分野について導入しますが、3年後には、見直しを行うこととされています。
 その際、マイナンバー制を他の分野、例えば、医療情報や銀行預金などにも拡張して、さらに利便性の高いものにしていくかどうかが検討されることになる可能性があります。内閣委員会での長時間の審議を経て、個人情報の保護など、さまざまな問題点も議論されてきました。
 
 今回は総理大臣が相手ですので、より大きな視点から、プライマリーバランス目標達成の目途とされる2020年ごろを想定した日本の将来の姿、そこにおいて個人番号がどのような範囲で機能している状態を想定しているのかなど、『政治が語るべきなのは日本の未来』との視点から、20分という短い時間でしたが、何点か、総理の思いについて質しました。


 
私の質問の内容については、こちらをご覧ください。

 日本人には、番号で管理されることに対する強い警戒心があります。
 かつて、私が旧大蔵省に入省した直後に、グリーンカードが政治主導でつぶされ、『水清きところに魚棲まず』と当時の某大物政治家が述べていたことに触れましたところ、安倍総理からは、当時の政調会長は自分の父だった、金丸さんが反対していた、とのお言葉もあり、委員会は爆笑でした。







 その後、個人情報保護の観点から、番号制度に対する反対論が出ていますが、国民が警戒している以上、デメリットを大きく上回るメリット、例えば、国民の利便性がこのように向上する、超高齢化社会で医療も福祉も安心が高まる、経済がこのように活性化しているなど、未来の社会像をきちんと描くのが政治の責任であるというのが、私の質問の基本的なトーンでした。
 他方で、デメリットを極小化させるのも、私たち政治家の役割です。そのため、政府提案のこの法案に対し、提案型野党である日本維新の会として、同党の他の内閣委員会のメンバーたちとともに、『附帯決議』をまとめ、これは、維新のみならず、自民、公明、民主、みんなの党の各党の賛同も得て、法案とともに圧倒的多数で可決されることになりました。
 その附帯決議の内容は、何事もリスクがゼロということはない中で、リスクを極小化させるための組織マネージメントの強化を柱としています。東日本大震災の原発事故のほとんどが人災だったように、『想定外』の事態も、ヒューマンエラーによる場合が多く、それを極小化するために、関係職員の教育・人材育成、守秘義務違反の厳罰化の検討、政府CIOの責任範囲の明確化と任期の長期化、などを盛り込みました。
 また、マイナンバー導入のプロセスにおいても、政治がきちんと監視すべく、国会への報告を政府に求め、加えて、3年後の見直しに当たっては、国民に対する説明責任、つまり、未来の社会像をきちんと示す責任を果たすべきことなども政府に求める内容となりました。
 日本維新の会として起案したこの附帯決議は、5会派の共同提案となり、法案の採決後に私と民主党の若井理事が決議文を読み上げました。




 なお、今回の政府提出のマイナンバー法案については、民主党とみんなの党から修正案が出され、これも自民、公明、民主、維新、みんなの党の5会派の共同提案となり、圧倒的多数で可決されましたが、修正案の内容は、行政運営の効率化をより前面に出すこと、『高度情報通信ネットワーク社会推進本部』を『本部』ではなく『本部長』(内閣総理大臣)とすることで政治主導を強めさせること、将来の給付付税額控除制度の導入に向けて低所得者の所得把握ができるような体制整備を進めること、などです。

 この法案、これからの日本社会に大きな影響を与える、今国会の中でも重要な法案であるにも関わらず、メディアの取り上げ方は小さかったのが不思議ですが、生活、共産以外の超党派の賛成で、意義ある立法ができたものと思います。

 日本の未来社会の建設に向けた大きな一歩となるものと期待しています。