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作家の大下英治氏をゲストに迎えて、第11回松田まなぶと語る会を開催しました。次回第12回は、前神奈川県知事の松沢成文氏を迎え、7月25日に開催します。




 2012年5月21日(月)に横浜市開港記念会館にて開催された「第11回松田まなぶと語る会」では、「日本の指導者像を考える。〜いま、政治家、官僚、首長たちに問われる資質とは何なのか〜」をテーマに、政治が真のリーダーシップを取り戻す道や、行政改革のあり方などについて議論しました。大下英治さんからは「政界リーダーの条件」と題したご講演をいただきました。
 次回第12回は、前神奈川県知事の松沢成文氏に語っていただきます。議論してほしいテーマについて、皆さまのご希望をぜひお寄せください。

 
●第11回のテーマと問題意識

 いま、日本は国の命運を決める大きな転機を迎えていますが、それをリードすべき政界の混迷には目に余るものがあります。
 今回の会では、政界を中心に日本の真相部分を抉り出してきた作家であり、政治へのコメントなどメディアでもご活躍されている大下英治氏をゲストお呼びしました。それは、日本の政治の立て直しを考えるに当たって、政界の裏表を知り尽くす同氏から、政治のリーダーシップを考える素材を提供してほしいと考えたからです。
 課題解決への決断ができないまま世界の中で埋没する日本、リスクへの対応も国家としての戦略構築もできない各界の指導者たち…。政治への国民の信頼がどん底まで低下した日本は、リーダーを生み出せない国になってしまったのでしょうか。
 現在の日本は、世界の課題を克服する最先進国へと「日本の物語」を力強く開始し、日本復活を果たすチャンスを迎えています。そのイニシアチブをどう構築するのか。本会では、福岡孝純・帝京大学/法政大学教授の司会で、まず、松田まなぶより最近の活動報告として、政治情勢に対する認識などを述べたあと、大下氏から「政界リーダーの条件」と題したご講演をいただきました。


●政界リーダーの資質について

 大下氏のお話から、日本の政界の大きな潮流と、それを動かす権力闘争の深層に潜む政治家たちの情念や思いがリアルに伝わってきました。しかし、いまの政権与党である民主党の政治家たちは、建前や理屈には走っても、政治家が本来具有すべきトータルな人間力や、一国を率いる統治力などにおいて、大きく欠けるようです。
この講演を聞きながら思ったのは、どうも日本の政治は、国民の耳障りには良くても国益を実現できないという意味で「やさしいけれど冷たい政治」に流れているのではないかということです。必要なのは、「厳しいことを言うかもしれないが、あたたかい政治」ではないでしょうか。
 そもそも政治の役割とは、国民に希望を与えることであり、希望に向けた道筋を責任をもって描いて国民を説得することだと思います。それができる政治リーダーを生み出す基盤が、近年の日本では崩壊していることを懸念します。特定の勢力を叩くパフォーマンスで人気を煽り、政権を奪取するための抗争が自己目的化している政治の現状を前に、国民の政治不信は頂点に達していると思います。
 仮に政治の役割が一国のリーダーを生むことにあるとするならば、日本の民主主義は危機に瀕しているのではないでしょうか。日本にとって本質的な課題とはいったい何か。そうしたことをきちんと語り、勇気をもって向き合う政治の姿をこそ、有権者たちは求めていますが、残念ながら、そうした期待の受け皿となる政治勢力が育っていません。

●課題に向き合う政治の軸を

 5月11日の大阪での経済講演でも、人気取りポピュリズム政治が真の課題を隠し、国民の真の利益を損ねてきたことを論じました(その内容は本HPに掲載しております)。例えば、消費税率引上げの必要性は理屈では理解する一方で、多くの国民が納得できない思いを抱いているのも、選挙での票を恐れる政治が長らく「不都合な真実」を語らず、国民が「聞いていなかったぞ」状態になっているからではないでしょうか。
 今回の語る会での松田まなぶのプレゼンテーションでは、不都合な真実の一つの事例として「行革」を取り上げました。そして、政治が叩いてやまない「官僚」のあるべき姿についても論じてみました。
 国政にとって重要なのは、課題解決の優先順位です。人気取りの手段にもなってきた官僚叩きは、国民の「お上意識」の裏返しでもあり、そこに日本の問題の答があると考える発想そのものが「官僚依存」だと思います。「政治の失敗」で本質的課題に向き合えない日本の姿こそが問題です。政治の能力を高め、「脱・官僚」という情けない発想それ自体から卒業し、しっかりと統治力を発揮して「活・官僚」ができる政治を創らねばなりません。
実は、「失われた20年」と言われる日本の停滞の背景にあるのも、政治が日本の希望を具体的に示すことができないでいることです。

●国の希望を創る

「未来への希望と責任意識こそが今の現実を創る!」これが松田まなぶの主張です。
「希望なき国に未来なし。30年後のニッポンの希望は何か。希望を描く人生と、希望を描ける政治の軸を。」今回の会の最後に松田まなぶが呼びかけたのが、この言葉です。
 松田まなぶと語る会も、将来の希望を語り合う会にしていきたいと考えています。




●テレビ放映について

 今回はテレビカメラが入り、特に、会場からの質疑や松田まなぶとのやり取りなどを中心に収録が行われました。テレビ神奈川、毎週水曜日の午前9時〜9時半「イイコト・ハートフルナビゲーション」の中のコーナーである「松田まなぶのカナガワ未来レポート」の6月20日放映の中で、会の模様が映し出されます。
 インタビューに応じてくれた参加者の若い女性の笑顔が印象的でした。

●次回の予定など

 次の第12回松田まなぶと語る会は、前神奈川県知事の松沢成文さんをゲストに迎え、7月25日(水)18:30〜横浜市開港記念で開催します。松沢さんのお話のテーマなど、詳細は改めてご案内申し上げます。
この松田まなぶと語る会では、できるだけ多くの方々の疑問に応えながら、双方向の議論づくりを心がけたいと考えております。次回、松沢さんに聞きたいことに限らず、皆さまから、この会ではこんなテーマや素材を取り上げてほしいというご意見を募っておりますので、下記まで、ご自由にお寄せください。

メール: nipponsaiken@gmail.com
ファクス: 03-3483-2013(横浜の事務所移転を予定しておりますので、それまでの間、この松田政策研究所東京事務所のファクス番号までお願いします)

 皆さまからのお声をお待ちしております。