財政破綻回避の道は「活力ある超高齢化社会」、大阪で日本のみらいを語る。
松田まなぶは、10月1日に、大阪にて2度目のセミナー講演をいたしました。
テーマは「活力ある超高齢化社会の運営モデルで日本のチャンスを〜新しい日本のストーリーを創り、財政破綻を回避する」でした。破綻が懸念されている日本の財政をめぐって、国の意思決定や官僚のあり方、持続可能な社会保障に向けた国の再設計の考え方など、幅広く情報や議論のネタを提供しました。参加していただいた関西の方々と、熱心な議論のひとときを過ごすことができました。
大阪にできました「21世紀をまなぶ会」の定例勉強会も、第2回となりました。
今、復興増税が話題になっていますが、本来のスジからいえば、次の世代にツケを回してはいけないのは、震災復興ではなく、高齢世代に対する社会保障で膨らんだ赤字国債の償還負担のほうです。これが60年償還と3世代にわたって、資産を残さない純粋なツケを将来に残しています。逆に、震災復興は、将来世代に貴重な資産を残すものですから、こちらこそ、建設国債の考え方で、60年償還でも百年償還でも、将来にわたって公平に少しずつ、負担を分かち合うべき世界です。
それでも、こうした論理の逆転をあえてしてまで復興増税に走る財政当局、財務省は、何を考えている役所なのか、財務省や旧大蔵省の行動原理は何なのか、それに対して、国民はどのように理解し、もし破綻すれば私たち国民の財産が紙切れになってしまう財政の問題に、国民自ら当事者としてどう向き合うべきなのかを、論じました。
日本は「小さな政府」であり、政府の法的権限は弱く、税金が安い国...、なのに、次の世代に膨大なツケを回していることなど、メディアではなかなか伝わってこない日本の真実の姿を、もっと多くの国民が共有する必要があります。
自国の歴史についてもそうです。1940年頃に強まった戦時体制が、戦後、そのまま「戦後システム」として引き継がれ、こんにちに至っていますが、それ以前の日本は、いまの米国よりも米国的で、自主独立、自由の気概にあふれた国でした。70年を経て賞味期限がとうに過ぎた「戦後システム」のまま、次の国家のあり方を描けていないことに、いまの日本の停滞の原因があります。新しい「設計」のためには、本来の日本の姿は何だったかを見極め、そこから、私たちが安心と納得をもって活かせる自らの強さを再構築する必要があります。ここで浮上するテーマが、日本が世界で最初に人類未踏の超高齢化社会に突入するということです。
これが、現在の財政やデフレなどの経済問題の根源にあります。長寿化によって、リタイア後にもう一つの長い人生を持つ存在へと、「人間」の概念が世界的に変化しています。しかも、その第二の人生を生きる人々が社会のマジョリティーになる時代にあって、高齢世代が「活動し、生産し、消費し、投資する高齢者たち」の物語を生きていかなければ、社会も経済も持続可能にはなりません。
こうした世界的な社会大変革を先導する国が日本です。そこに日本の強さを活かし、世界が魅力を感じるような社会モデルやライフスタイルを次々と生み出していくことで、経済の活性化と財政問題の解決が達成されます。
高度成長とバブルのあと、人々が安心と納得で進んでいけるストーリーを失った日本が、そのまま「失われた20年」になりました。しかし、いま、日本は「活力ある超高齢化社会の運営モデルの構築」というテーマに向けて、骨太のストーリーを始められる位置にあります。それは世界が求めるソリューションです。これが、松田まなぶが提唱する「日本新秩序」につながっていきます。
参加者の皆さまには、大変熱心に聴き入っていただき、「新たな発見」をしていただいた方も多かったようです。活発な質疑応答となりました。
この「21世紀をまなぶ会」、次回は下記のテーマと場所にて11月4日(金)18:30開始で予定しております。
テーマ:地域の再生と日本の再生を設計する。〜健康(医療・福祉)と食と環境...新たな「協働体」で経済を活性化〜
会場:大阪市北区中崎西4−3−32 タカ大阪梅田ビル9階 セミナールーム
お問合せ先:「21世紀をまなぶ会」Tel:06-6375-3331 Fax:06-6375-3341
Eメール:matsuda-pri@kne.biglobe.ne.jp