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 前神奈川県知事の松沢成文さんをゲストに迎えて、第12回松田まなぶと語る会を開催しました。次回第13回は
平沼赳夫・衆議院議員を迎え、9月20日に開催します。





2012年7月25日(水)に横浜市開港記念会館にて開催された「第12回松田まなぶと語る会」では、「日本の希望を描く。〜未来を競う政治をどう創るのか〜」をテーマに、いま日本の政治に打ち立てるべき軸は何なのか、日本の未来にはどんな希望が描けるのかなどについて、「自立」の考え方をベースに議論しました。松沢成文さんからは「地方から日本を変える!」と題したご講演をいただきました。

 次回第13回は、たちあがれ日本の代表で衆議院議員の平沼赳夫先生と語り合います。議論してほしいテーマについて、皆さまのご希望をぜひお寄せください。

●第12回のテーマと問題意識

いまの政治に問われる真の役割とは、日本の将来の希望に向けた道筋を示し、国民合意を創ること。こうした問題意識のもとに、松田まなぶは各界の方々との議論の輪を広げています。

今回の語る会には、日本の先駆的自治体であるべき神奈川県の知事をされ、現在は言論人として各方面で活躍されている松沢成文さんをお呼びし、地方から国を変える挑戦などのご経験も踏まえながら、日本の希望への道を語っていただきました。

松沢さんとは、神奈川県知事をされていた頃からご懇意にさせていただいてきましたが、現在はさらに幅広い視点から、明確な理念のもとに次の日本を拓く実践的な活動に専念されていることを知り、大変心強く感じました。

会では、福岡孝純・帝京大学/法政大学教授の司会で、まず、松田まなぶより最近の活動報告として、政治情勢に対する認識などを簡単に述べました。そして、大阪での維新の動きも含め、いまの日本に打ち立てるべき新たな政治の軸は「自立」というテーマにあること、その上に立って、政治に問われているのは日本の「希望」を描くことであることなどを訴えました。

●松沢成文さんの「地方から日本を変える!」

その後、松沢さんから「地方から日本を変える!」と題したご講演をいただきました。

日本復活の道は、私たちが地域で日々直面する具体的な課題の中にあると思います。その場は、地域社会にあると松田まなぶは主張してきました。特に潜在力に満ちた神奈川県は、日本の希望づくりへのチャンスの場だと思っています。

まさにこのことを知事として実行されてきた松沢さんの具体的なお話に、会場の皆さんは熱心に聴き入っていました。

ご講演は、知事をお辞めになった経緯や、現在のご活動の状況から始まりましたが、地方からのイニシアチブが国を動かした事例のひとつとして取り上げられたのが、スモークフリーでした。

たばこの煙から人を守ることはWHOで国際的に義務付けられている措置ですが、日本の対応はあまりに不十分であり、そこに一石を投じたのが松沢さんの禁煙条例でした。その上で大きな障害となった霞が関の硬直的な壁を地方からの実践で破り、いまや神奈川の挑戦が全国に波及している。その過程を赤裸々に述べられた松沢さんのお話は、「やればできる」ことへの希望を与えてくれるものでした。

その他、誰が考えても当然だろうということをするにしても、ガチガチに硬直した意思決定メカニズムが、ごく自然な志すをすらつぶしてしまっている日本の不幸な実情について、知事として経験した具体例を挙げてのお話には、大変説得力がありました。

「生麦事件」など、ご自身の著書のご紹介の中で、実は神奈川県は日本の歴史を創る県であり続けてきたことを松沢さんが強調されていたとおり、私たちに必要なのは、愛郷心であり、それが愛国心につながり、国の力に結実していくのだと思います。

その基本になるのが、より多くの日本人が自国や郷土の歴史を知ることだと思います。松沢さんが歴史を丹念に調べ、独自の視点から未来へのヒントを著書にまとめてこられたことに、かねてから敬服しておりましたが、今後とも大いにご活躍いただき、ともに日本の指針を示していくことができればと思っております。


●自立から始まる日本の挑戦


松沢さんのご講演のあと、松田まなぶが30分ばかり、プレゼンテーションをいたしました。松沢さんのお話から伝わってきたメッセージは、やはり、「自立」ということだったと思います。他者依存、国依存ではなく、自らの運命は自ら切りひらく、そうした自立思考があってこそ、地方からイニシアチブが生まれ、国を動かす力になるのだと思います。

「自立」、「独立自尊」こそ、政治の新たな軸であり、「自立」を国のレベルでの選択肢として組み立てる営みが、いまの政治には必要だと考えます。

国家の自立、地方の自立、そして個人においては思考の自立。そこには日本人の生き方そのものを問いかける思想的な「維新」があると考えます。

自立から思考が生まれ、自立思考から責任が生まれ、責任から「生き甲斐」が生まれる。松田まなぶは、そうした「生き甲斐」を地域に創ることが、日本の「興国」のために不可欠な時代になっていると考えています。

ただ、松沢さんも主張されている「脱・中央集権」ですが、その現実的な答は、逆説的ではありますが、実は、国家機能の強化にあるというのが松田まなぶの考えです。なぜなら「地方の自立」は、平時の行政を思い切って地方に移すことで実現するからです。そして、「地方から国を変える」には、地方からの変革のイニシアチブをきちんと受け止める「機能する国家」がなければならないからです。

ですから、新しい軸のキーワードは「自立」、「国家」、「希望」の3つではないかと思っています。自立を支える強い国家のもとで、日本復活の道がひらかれる。そのために必要なのは、政治が国家の「希望」を描くことだと思います。

●松田まなぶが描く日本の希望

今回の会から、30年後の未来に向けて松田まなぶが描く日本の希望について、順次、語っていくことといたしました。今回は、10年で300兆円のインフラ投資をはじめとする「国力倍増計画」と、それと一体で消費税を引き上げる「経済政策と税の一体改革」を提起しました。

90年代に比べて半分の水準にまで低下した政府投資の水準を倍増することは、決して無理なことではありません。「公共事業」という言葉もやめるべきです。それは、東日本大震災が突きつけた、日本にとって絶対に必要な防災安心国家の建設も含めた「インフラ投資」、さらにいえば、未来への投資とも言うべきものです。

増税と政府支出の増加が同じ額でなされれば、その額だけ景気は刺激されます。消費税率引き上げで赤字国債(将来にツケだけを残す)の発行が減った分だけ建設国債(将来に資産を残す)を増発して政府投資を拡大すれば、13兆円の増税額と同額分のGFP拡大効果が日本経済にもたらされます。これは大変大きな経済刺激効果です。

建設国債の財源として、松田まなぶは、「成長成果配当型無期限国債」の導入を提案しました。これは、日本の名目経済成長率と等しい利率で配当する、一種の株式のようなもので、「永久国債」でもあります。将来、例えば10年後に日本の財政が好転した時点で、希望者には元本を返済します。

20世紀の「ケインズ革命」を超える21世紀の「松田革命」だと申し上げました。

以上は、たちあがれ日本の政策宣言にも盛り込まれましたが、近く出版予定の松田まなぶの次の著書「ニッポン興国論」で詳細を世に問うことになります。

今回はこうした経済財政論を中心に、日本の希望を提示してみました。

●次回の予定など

次の第13回松田まなぶと語る会は、たちあがれ日本の代表で衆議院議員の平沼赳夫先生にお越しいただき、9月20日(木)18:30より、今度は場所を変えて、関内ホールにて開催します。詳細は改めてご案内申し上げます。

この松田まなぶと語る会では、できるだけ多くの方々の疑問に応えながら、双方向の議論づくりを心がけたいと考えております。次回、平沼先生に聞きたいことに限らず、皆さまから、この会ではこんなテーマや素材を取り上げてほしいというご意見を募っておりますので、下記まで、ご自由にお寄せください。

メール: nipponsaiken@gmail.com

ファクス: 045-228-7864、あるいは、03-3483-2013

 皆さまからのお声をお待ちしております。